マーティー・ウッズさんの本
残念ながら、私にとってインドの本屋さんはワクワクする空間ではありません。
こんなに大きな都市であるバンガロールなのに、大きな本屋は皆無ですしね。
英語の本をスラスラ読みこなせるほど、私の英語能力が高くないこともその一因かもしれないのですが、とにかくインドでは、あの本屋に入った時のワクワクした感覚がないのです。
英語が苦手でもアートのコーナーは言語が関係ないですから。ワクワクする本との出会いがあっても良さそうなんですけどねえ。
インドは、人口の割に出版されている本の数が非常に少ない国です。
識字率の低さと、言語環境の複雑さが本の種類や数に影響しているんだと思います。
*Tara Books(子どもの本を中心に出版しているアート色の強い出版社)の本は素晴らしいですが、本屋にはあまりおかれておりません。
マーティー・ウッズさんの本
その様な悲しい本屋体験しかない私ですが、時々嬉しい本との出会いがあります。
その一つがマーティー・ウッズ MARTY・WOODSさんの本との出会いです。
大きなショッピングモールの中にある、非常に小さな本屋のアートコーナーの中でマーティーさんの本を見つけました!
「Exotic Kingdom」という塗り絵本。
マーティー・ウッズさんについて
マーティーさんは、マレーシアのクアラルンプールで活躍しているアーティストです。
彼の塗り絵本は世界中で売られていて、もう何冊も出版されています。
マーティーさんの絵をカテゴライズすると、ボタニカル・ドゥードゥルになるのかなと思います。
ボタニカル・ドゥードゥルとは
基本的には植物画です。けれども実際の植物の形態にこだわることなく、空想の植物も混ざり込み描かれます。それらの植物が絡み合って、途切れることなく画面を埋め尽くす。それがボタニカル・ドゥードゥルです。
マーティーさんの絵の特徴
- 基本は白黒で、太い線と細い線を組み合わせて描かれている
- 所々見える地色の黒がアクセントとしてきいている
- 植物に加えて昆虫も描かれ、時に植物と絡み合って描かれている
- 動物の形態を基本として描き、動物に植物が絡み合うように描かれる
- きのこをよく描く🍄ところも特徴で、これがとっても可愛い
マーティーさんのバックグラウンド
マーティーさんは美しい田園風景が広がるマレーシア半島の北部で幼少期を過ごしました。ペナン島にも住んでいたことがあるようで、これらの体験が彼の絵の基礎を形作ったそうです。
また、植物や動物が調和を持って共存しているという世界観を持ったマレーシアの神話や民話。これらの物語りが彼の絵に強く影響しているとマーティンさんは語っています。
私が彼の絵に惹かれる理由は、やはり絵の中から滲み出てくるこういった世界観に共感するからなのもしれません。ボタニカル・ドゥードゥル画を描くアーティストはたくさんいますが、アーティストによって絵から感じるものが全然違うんですよね。私はマーティーさんの絵が好きです。じっと見ていると、マレーシアの熱帯雨林の自然の中に入ってしまったような感覚になり、心が穏やかになるからかもしれません。
もう1冊オンラインで購入した本
これは、AからZまでのアルファベットの基本形態をボタニカル・ドゥードゥルによって表現した本です。これもかなり気に入っています。塗り絵本ですが、もったいなくてとても塗る気にはなれません😅。参考本として、時々見返しています。
マーティーさんからの影響
マーティーさんがとても気に入ってしまって、私も植物の絵を積極的に描くようになりました。
ゼンタングルも好きですが、やはり自分の感情がのせやすい植物画の魅力にはかないません。花は自分の気持ちを代弁してくれる存在ですし、虫などの生き物は画面に強い生命感を与えますから。
今は、ゼンタングルとボタニカル・ドゥードゥルと、インドのメヘンディーなどを混ぜて絵を描いています。
咀嚼して、もう少し自分のオリジナルな表現へと昇華できるいいのですけどねえ。
頑張ろ!