メヘンディーとは?
皆さん メヘンディーと呼ばれる、ボディーアートをご存知ですか。
1990年代に歌手のマドンナなど、アメリカ人のセレブ達が、メヘンディーアートを流行らせ、ちょっとしたブームになった事もありました。
私が住んでいるインドでは、お祭りや結婚式の時には必ずメヘンディーが描かれます。
特に結婚式の時に新婦が全身に施すメヘンディーは圧巻です。
私は、メヘンディーのデザインを自分の絵の中に使う事がよくあります。
ですから、一度メヘンディーの情報をまとめてみることにしました。
メヘンディーって何?
メヘンディー(Mehendhi)、ヘナ・タトゥー(Hena Tatoo)とは、1週間ほどで消えてしまう一過性(いっかせい)のタトゥーです。中東、パキスタン、インド、バングラディッシュ、ネパール、モルディブ、アフリカといった国々でみられます。主に女性が手や脚に施すものですが、男性もしばしば使います。
古代インドから続いている習慣で、もともとは太陽の象徴である円形を、手の平や足に描いていたそうです。
メヘンディーの材料は?
ヘナ(Hena)と呼ばれる、乾燥した地域で普通にみられる植物の葉っぱを乾燥させ、それを水や油等で練ったものを使います。
乾くと、赤くなります。赤から茶色まで、肌の色によって、または時間の経過によって色が変化します。
ブラックヘンナと呼ばれる、黒いものもありますが、これは、化学加工物を混ぜたものです。しばしばアレルギー反応を起こし、皮膚の疾患が起こりますので、ブラックヘンナは使用しない方がよいと言われています。気をつけてください。
アメリカのセレブ達がメヘンディーを西洋社会に広げてからは、白いメヘンディーやカラフルなメヘンディーも使われるようになりました。
どういう時にメヘンディーをするの?
ヒンドゥーやムスリム、シーク教の結婚式では、メヘンディーはマスト!です。結婚式の前日に、女性達が新婦を囲んでメヘンディーパーティーを行ったりします。女性達がお互いにメヘンディーを描きあったり。プロのメヘンディーアーチストを呼んで、新婦の全身にメヘンディーを施してもらう事もあります。私もこのパーティーに呼ばれた事があります。
新婦さんは、全身にメヘンディーを描くので、両手・両脚、描いたところが乾くまで、動けません😆
結婚の際は、新郎もメヘンディーを施します。新婦の名前を書いたりするそうですよ。
その昔・・・。
インドでは、結婚式の当日に新郎と新婦が初めて顔を合わせたわけです。
お互いに、手に書かれた名前を見て、想像を膨らませていたんでしょうね!
また、ヒンドゥーのお祭りの際にもメヘンディーは欠かせません。
しかし今では、宗教的な意味から離れ、ファッション感覚で行う女性達も多くいます。
描き方
- ヘナの葉をよく乾燥させて粉にします。布でこして、細かくします。
- ターマリンド(マメ科の植物)の葉っぱと紅茶のミックスしたものを沸騰させて、濾します。
- その汁をヘナの粉にダマができないように混ぜてペーストを作り、2時間ほど寝かせます。
- プラスチックペーパーでコーンを作り、その中に先ほど作ったペーストを入れます。
- 小さなボールにレモンの汁に砂糖を溶かした液を入れ、準備をしておきます。
- コーンの先をカットしてペーストが細く出るようにします。
- 模様を描いた後に、レモン汁をコットンなどに含ませ、絵の上にタップし、乾燥を防ぎます。
- 描いた後、4〜5時間そのままキープします。
- 完全に乾燥したペーストを丁寧に剥がし落とします。
- しかし、絶対に水洗いをしてはいけません。12時間から14時間は水は厳禁です。そうする事で、色が鮮明になります。
- さらに、マスタードオイルを塗り込む事で、美しい色がさらに鮮やかになります。
メヘンディーのデザイン
インドでは、たくさんのメヘンディーデザインブックが売られています。
しかも、安価です。一冊どれも100円以下!嬉しい〜〜〜😆💕
私は、たくさん買って、好きなデザインを真似ています。
デザインのスタイルですが、大きく分けて二つあります。
アラビック・スタイル
これは、中東で発達したスタイルです。
流れるように模様を描いていくのが特徴です。
花や葉っぱ、ペイズリーをモチーフとしてよく使います。
指先にスーッと抜けていくように描くのが格好いいです。
描くスペースが少ないので、肌がたくさん見えるのが特徴です。
出来上がりが軽めなので、外国人や若い人たちはこちらのデザインを好みます。
インディアン・スタイル
非常に細かい模様をびっしりと隙間なく描くのが特徴です。
植物に加えて、ピーコックや人物などを模様に取り込む事もしばしばあります。
直線や半円の重なりなど、抽象形態の中にさらに細かい模様を入れていきます。
中東で生まれたメヘンディーですが、インドに渡り、模様が更に細かくなり、デザインのバラエティーも増していったと言われています。
アラビックスタイルと、インディアン・スタイル、随分と違っている事がわかると思います。
上記のデザインは、非常に独創性があって面白いなあと思います。もちろん、ペンですから、ここまで細かく表現できると思うのです。ペーストでは、正直言って、ここまでの表現は出来ないでしょうね。
でも、絵を描く時に非常に参考になるデザインです。
それぞれのメヘンディーデザイン本を見比べてみると、デザイナーさんの特徴があって面白いです!